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深イイ話

カテゴリ:スクールトピックス | 2025.08.08

皆さんこんにちは。最近新しいAIを導入したコーチの大原です。

そして新しいAI君にまた短編小説を書かせていたら面白く深イイ話ができたのでご紹介させていただきます。

※若干ホラー要素を含みますので苦手な方はご遠慮ください。

 

 

「永遠のラリー」

 

大学のテニス部に所属する木村は、プレッシャーに弱い選手だった。練習では誰にも負けないのに、試合になると手が震え、簡単なミスを連発してしまう。

 

「また負けた...」

 

地区予選で初戦敗退した木村は、一人コートに残って壁打ちをしていた。夕闇が迫る中、ラケットとボールが作り出すリズムだけが響いている。

 

その時、隣のコートから声がした。

 

「君、上手いじゃないか」

 

振り返ると、品のいいスーツ姿の中年男性が立っていた。

 

「私は田所と申します。君のプレーを見ていたんですが、なかなかの腕前だ。一本勝負してみませんか?」

 

「でも僕、弱いんです...」

 

「大丈夫、気楽にやりましょう。ただし、一つだけルールがあります」

 

田所は微笑んだ。

 

「途中でラリーを止めてはいけません。どちらかがミスをするまで、永遠に続けるのです」

 

奇妙な提案だったが、木村は受けることにした。プレッシャーのない練習なら、自分の実力を発揮できるかもしれない。

 

ラリーが始まった。

 

田所のボールは絶妙だった。速すぎず遅すぎず、木村が打ちやすい絶妙なコースに返ってくる。木村も調子に乗って、普段以上のプレーを見せた。

 

10分、20分、30分...ラリーは続いた。

 

「すごいな、君は」田所が声をかけながらも、手を休めることはない。

 

木村も夢中になった。これほど長く続くラリーは初めてだった。相手の技術の高さもあるが、何より自分がミスをしていないことが信じられなかった。

 

1時間が過ぎた。

 

木村は気づいた。全然疲れていない。それどころか、体が軽やかで、まるで羽根でも生えたようだった。ボールがスローモーションで見え、どこに来るかが手に取るようにわかる。

 

「気持ちいいでしょう?」田所が笑った。「これが本当のテニスです」

 

2時間、3時間...ラリーは続いた。

 

そのうち木村は、周りの景色が変わっていることに気づいた。夕暮れだったはずのコートが、なぜか昼間のように明るい。観客席には、いつの間にか人がたくさん座っている。みんな拍手をしながら、ラリーを見守っていた。

 

「あの...ここはどこですか?」

 

「ここは『永遠のコート』です」田所が答えた。「プレッシャーから解放された、完璧なテニスができる場所。君は招待されたのです」

 

木村は恐怖を感じ始めた。ボールを止めようとしたが、体が勝手に動いてしまう。ラケットを手放そうとしても、手に貼り付いたように離れない。

 

「僕はもう帰りたいです!」

 

「でも、ルールでしょう?どちらかがミスするまで続けるって」田所の笑顔が不気味に見えた。

 

木村は必死にミスをしようとした。しかし、どんなに無茶な体勢になっても、ボールは完璧にラケットに当たり、相手コートに返っていく。

 

観客席の声援も次第に呪文のように聞こえてきた。

 

「続けろ、続けろ、永遠に続けろ...」

 

その時、木村は観客席をよく見て愕然とした。そこに座っているのは、みんなラケットを持った人たちだった。疲れ果てた表情で、諦めたような目をしている。

 

「彼らも、君と同じだった」田所が説明した。「プレッシャーに弱くて、完璧なテニスを求めていた。そして今、永遠に完璧なテニスを続けている」

 

木村は理解した。これは罠だったのだ。完璧を求めるあまり、永遠に終わらない試合に囚われてしまったのだ。

 

しかし、諦めかけた時、木村は思い出した。自分がテニスを始めた理由を。勝つためでも、完璧なプレーをするためでもない。ただ、ボールを打つのが楽しかったから。

 

その瞬間、木村の心境が変わった。

 

「あなたと一緒にいると、確かに完璧なテニスができます」木村は田所に向かって叫んだ。「でも、僕は不完璧でもいいんです!ミスをしても、負けても、それが僕のテニスなんです!」

 

木村は思い切り強打した。しかし今度は、勝つためでも完璧に返すためでもない。このラリーを終わらせるために。

 

ボールはネットに引っかかった。

 

瞬間、世界が静寂に包まれた。観客席の人々が拍手をし始め、一人、また一人と消えていく。彼らの表情は穏やかだった。

 

「ありがとう...」

 

田所も微笑みながら消えていく。

 

「君は気づいたんですね。完璧なテニスよりも、不完璧でも自分らしいテニスの方が美しいということに」

 

気がつくと、木村は元の大学のコートにいた。夕闇が迫り、一人だけの静寂が戻っていた。

 

翌日の試合で、木村は初戦で負けた。しかし、今度は違った。ミスを恐れず、自分らしくプレーができた。結果よりも、テニスを楽しむことができた。

 

試合後、木村は壁打ちをしていた。今度は完璧なラリーを目指すのではなく、一球一球を大切に打っていた。

 

その時、隣のコートから若い女性の声がした。

 

「すみません、一緒にラリーしませんか?完璧なテニスがしたいんです...」

 

木村は振り返ると、優しく微笑んだ。

 

「僕と一緒にやりましょう。でも、ミスしても大丈夫ですよ。それが、本当のテニスですから」

 

 

・・・

 

なかなか深い話でした。

まさかAIにこんなに考えさせられると思いませんでした。

イラストはまた別のAIにテニスの永遠のラリーをテーマに描かせたらこうなりました。

なんかそうじゃない感が。 

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大正セントラルテニスクラブ目白 大原
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